非破壊検査とは、読んでその字の通り素材、構造物などを破壊せずにその内部あるいは表面の欠陥の有無、その構造物等の劣化の状況を調べ出す検査技術のことを言います。
近年、さまざまな産業、分野でこの非破壊検査技術、メンテナンス技術が重視され、非破壊検査の担う役割も大きくなってきております。
「きず」と「傷」は違う?
非破壊検査では「きず」と「傷」は、別のもの認識して、使い分けられています。
「きず」は、非破壊検査で見つけ出された「デント(丸みがあるものでつけられたへこみ)」「ニック(角のあるものでつけられたへこみ)」「スクラッチ(浅いきず)」「クラック(深いきず)」「ボイド(表面からは見えない内部のきず)」のようなものを指します。
「きず」は、デント、ニック、スクラッチ、クラック、ボイドなどが存在していても、有害であるか無害であるか判断が出来ないような場合に使用します。
それでは、「傷」という言葉は、どのような場合に使用されるかといいますと、一般に「その存在自体が有害である場合」に使われます。
「欠陥」という言葉も「傷」と同じような場合に使用します。
つまり、「きず」が検査によって「有害」であると判定されると、「傷」または「欠陥」と呼ばれるようになるのです。
非破壊検査で測定出来るもの
非破壊検査は、「きず」のある位置や形状に合わせた方法で検査をおこないます。
また、対象物の中にある異物の厚みや長さなども調べる事が出来ます。
表面きず
先程ご説明しました、デント、ニック、スクラッチ、クラックのような表面についた傷を総称して「表面きず」と呼びます。
磁性体の表面きずであれば「磁粉探傷検査」や「浸透探傷検査」、非磁性体の表面きずであれば「浸透探傷検査」といった検査方法を用いて調査します。
表面直下きず
表面から2~3mm程度の深さの内部きず(ボイド)を「表面直下きず」といいます。
この深さにある内部きずを効率よく検出するのに適した検査方法に磁粉探傷検査があります。
内部きず
表面から見ることが出来ない内部のきず(ボイド)を「内部きず」といいます。
内部きずには、円盤状、円柱状、球状などさまざまな形状のものがあります。
内部きずは「超音波探傷検査」という検査方法を用いて検査します。
厚さ測定
測定物の中を超音波が往復する時間によって厚さを測定する方法を「パルス反射法」といいます。
摩耗や腐食による金属材料の減肉調査のように厚みを測定する場合は「超音波厚さ計」で測定します。
この原理を用いて、コンクリートに埋め込まれたアンカーボルトの長さを測定する事も出来ます。
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